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日本における手銛(やす)での遊漁と、漁業者様との関係改善のための企画書

※注意事項※

本企画書はあくまで草案です。

魚突きの未来をより良いものにしていくため、様々な方の建設的な意見を取り入れ、状況を少しでも良い方向に向けていくために公開しています。

本企画書をシェアして頂くのはもちろん問題ありませんが、くれぐれも内容を勝手に改変したりされることのないようにお願いいたします。(もちろん、今後の話し合い等によって内容をアップデートすることはありえます)

また、本企画書を利用される際(例:お住まいの自治体との交渉に使う等)は必ず事前に当店までご連絡下さい。また、利用において起きたいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いません。

本企画書の権利・著作権は株式会社ノラクリエイト及び里崎亮が有します。

 

※残念なことに悪意を持っている輩が少なからず存在しているため、私としても不本意ながら上記のような注意書きをせざるを得ませんが、本来の目的としては海を愛する者同士で、今の状況を改善していくための建設的な話し合いをしたいがために本企画書を公開しています。

ご意見やアイデアがあるかたは、ぜひお気軽に連絡下さい。できればTwitter等のオープンな場で広く意見を交換するのがベストだと考えています。

 

FAQと補足

いくつかご質問やご意見を頂いたので、ここで私の考えを書いておきたいと思います。

 

その前にまず、ちょっと勘違いを生んでいる部分があったので何点か補足しておきます。

・全国一律で制度を導入?勝手にそんなことすんな!

→違います。私にそんなパワーも権力もありません。笑

 

まずそもそも「全国一律」は絶対無理ですし、そうするつもりもさらさらありません。

言うまでもなく、その地域のことはその地域の遊漁者が地域の漁業者と話をして決めるのがベストであって、制度はその取っ掛かりになればいい程度の認識です。

 

私の周知の仕方が悪かったせいで、「ジャックナイフが勝手に料金徴収の仕組みを作ろうとしてる!」と思われた方もおられるのかもしれませんが、それは違うという事だけは断言しておきます。

  • この企画はあくまで草案であり「提案」にすぎない
  • 仮に導入するとしても、それはその地域の方が自主的に行う(もちろんサポートはします)
  • 当然のことながらお金については完全ノータッチ
  • 料金を集めるとしても、それは全て漁協さんに委ねる

 

これまでも自主的に、その地域の漁協さんと独自に交渉をし、ポイントを守ってこられた方や団体さんがおられることを私は知っています。

言うまでもなく、そういった方たちの努力を踏みにじるつもりはありません。というより、そういった方々のやって来たことを、他の地域でもやりやすくするための「取っ掛かり」として、この企画・制度をとらえて頂ければなと思います。

 

もちろん、この企画が完璧だとは思っていませんし、当然ですがそれを押し付けるという話では全くありません。

言うまでもなく「これで魚突きに革命を起こす!」というような気概は一切ありません。

 

逃げを打ったと思われても全然構いませんが、基本的には

「こういう企画を立てて、関係省庁に提案してみたら好感触だったよ、興味ある方、自分の住む地域にも合うかなと思った方は参考にしてね」

というスタンスです。

 

先ほども全国一律で制度導入は絶対無理といいましたが、なぜ全国一律が無理かと言うと、まず漁協さんという団体自体が、それぞれほぼ独立した団体だからです。

なので当然のことながら漁協さんごとにそれぞれの考えがありますし、話し合いも個別に行っていく必要があります。

そして何よりもその地域にはその地域特有の漁業や状況がある以上、遊漁者としてもその状況を理解した上で遊漁を行う必要があり、そのための話し合いは非常に重要だと私は考えています。

 

本企画の趣旨

本企画の趣旨、それはまず何よりも

「その地域の漁業者さん側としっかりコミュニケーションを取ること」

そしてその上で

「我々は漁師さんの敵ではないですし、ルールを守りますし全力で協力もします」

という“スタンス”を明確にする、というのが本当の骨子であり趣旨です。

 

頂いたご質問と回答

・今すでに漁協さんともうまくいってるし、わざわざお金を払いたくない

→もちろん、それはそれでいいと思います。

ただ、できればライトに話だけして「なんや、ほんなら駐車代として100円ぐらいおいてってくれたらええわ」ってなるとか、無料でも別にええわってならそれで全然OKだと思うんです。今すでにいい関係を築けているならそれは容易な事でしょうし。

ただ、ここだけは考えなくてはいけないのが、「今うまくいってるし別にこのままでいいじゃん」だと、もし仮にヨソから来た輩がルールを破るなど滅茶苦茶してしまえば、そのポイントは一瞬で消えてしまうわけです。

でも、もしそこでこの制度を導入できていれば、明確に「自分たちはあいつらとは違う」ということが堂々と言えるわけですよね。 そこをどう捉えるかで、この制度の見方がかなり変わるかなとは思います。

肝はやっぱり「漁業者さんとちゃんとコミュニケーションを取ること」です。

 

・お金のない人は潜れなくなるの?学生さんとか厳しいのでは?

→そこも上述のとおり、制度を導入するもしないもその地域の方で決めればいいですし、金額もそうです。

あとはまず前提として、この制度は強制ではなく任意です。なので「お金を払ってない人は潜らせない」というような制度ではない、という点はまずご理解いただきたいと思います。

また、金額に関してはもちろん各漁協さんとの交渉次第にはなりますが、個人的なイメージとしては一日券で500円~1000円前後に収まればいいかなと考えています。

そして何より、もしこの制度を導入することで遊べるポイントが増えれば、今より近い場所で潜れるようになって結果的に安上がりになった、というケースも出てくると思います。

 

・許可を与えて魚突きをし、もし事故が起きたらややこしい話になるのでは?

→この企画はあくまでも、「環境保全協力金」を任意で収めて頂き、自分自身のスタンスを明確にする(密漁行為は決して行わない、ルールを守って遊漁を楽しむ)ことで、漁業従事者さんに魚突きに対してのご理解を頂く、というのが趣旨です。

決して「お金を払って魚突きの“許可”をもらう」という話ではありません。

 

・スキューバダイビングの方とバッティングするのでは?

→もちろんそこもしっかりと対策を練らねばなりませんが、ダイビング業者さんも地元漁協さんにお金を払って潜っているケースが多いので、そこは漁協さんと三者で話し合って決めれば良いかと思います。

 

悪いのは密漁者なんだから、罰則規定を厳しくし、もっと取り締まりを強化すればいいだけではないか。

まず最大のポイントが

密漁者を厳しく取り締まっても、我々が「密漁者と誤認されてしまう問題」は全くの未解決のまま

ですよね。

 

仮に罰則規定を厳しくし、取り締まり体制を強化しましたと。確かにそれで密漁者は減るかもしれません。もちろんそれ自体は良いことです。

ただ、それでもなお「海で潜ってるやつがいる」ということで、今まで以上に我々は密漁者と疑われることが多くなるでしょう。

 

それを「そこがおかしいんだよ。ちゃんと遊漁者と密漁者を区別して取り締まりしろよ」と言う事自体は簡単です。

・・・どうやって??

その「方法」はどうするのでしょうか?どうやって「区別」するのか?そこが最も肝心な点です。

 

いくら警察や保安庁がジェットスキーやダイバーまで駆り出して厳しく密漁取り締まりにあたったとしても、密漁者と我々遊漁者の区別がつかない事には現状は全く変わりません。

 

「いや、それで密漁者の数が減れば問題は解決だろう」→密漁者の数が減ったというのは、どうやって判断しますか?

陸から見たら密漁者と見分けがつかない人間が海でバンバン潜っているのに、「密漁者は減りました」という事になると思いますか?

 

私はそうはならないと思います。

 

密漁取り締まりにあたるのは警察や海上保安庁ですが、現場の密漁監視はだれがやっているかといえば地元の漁師さんです。

その漁師さんが、毎日の監視の中で「密漁者 “らしき” 人間」を見かけているような状況なら、結局密漁取り締まりの手間は変わらないわけです。

 

・・・で、そういう苦労をしている漁師さんからもし「更に取り締まりを強化してくれ」という要望が警察や海上保安庁に寄せられればどうなるかというと、

なら魚突きも一緒に規制してしまうか

となるのは自明です。もう既にそうなってしまった地域もあるので、これはもはや私の意見ではなく事実です。

 

「そんな乱暴な話があるか!横暴じゃないか!」

という気持ちは私だって痛いほどよく分かりますが、警察にしても海上保安庁にしても水産庁にしても、密漁という泥棒の手によって、日々自分たちの収入源が不法に持ち去られてる漁師さんの立場を優先するのは当然の事だとも思います。

 

もちろん私も、密漁者の取り締まりを強化することには賛成です。

ですがその取り締まり強化の際に、我々遊漁者も十把一絡げの規制に巻き込まれてしまうという事態になる前に、我々遊漁者の側から漁業者に歩み寄り、友好的な関係を築いておくことが非常に重要だと思っています。

 

魚突きが規制される根本原因は「密漁」なのだから、密漁を厳しく取り締まって件数が減れば問題は解決するはず、という意見について

いくつかポイントはありますが、主には下記の点です。

  • そもそも密漁取締りの体制や罰則規定に口を出せるのは、我々遊漁者ではなく漁業者である
  • 現状でも密漁の罰則は軽いものではない(3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金)が、問題はそれ自体を知らずに密漁をしている人の存在である
  • その密漁者と遊漁者との区別が困難というのは、実際に漁業者も海上保安庁も水産課も言っている現実の話
  • 魚突きが煙たがられる原因は、何も密漁だけではないという点

 

法律と条令

まず密漁は「漁業権の侵害」。適用法は漁業法で、これは「法律」です。

一方、我々遊漁者のルールを定めているのは「漁業調整規則」という都道府県の条例です。

まずここを理解する必要があると思います。

 

密漁の罰則規定を重くするというのは私個人的には賛成しますが、筋の話をすれば、それは権利を侵害された漁業者が言うべきことあり、それは「遊漁者」である我々の関与できる範囲を超えていると思います。

というより、遊漁者が「自分たちが困っているから密漁者をもっと取り締まってくれ」と言って、関係省庁が聞く耳を持つわけがありません。

なぜなら、漁業法自体が漁業者を守るための法律だからです。門外漢である遊漁者にどうこう出来る問題ではありません。

 

罰則と密漁の現状

ちなみに、「100万円の罰金ならだれも密漁などやらないだろう」という意見もあるようですが、現状の罰則でも3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金です。(漁業法第138条)もちろん、実際に課せられる罰金はそれより低いでしょうが。

そして密漁で摘発された件数のうち、大多数が個人であり、またそのうちのほとんどが「密漁という意識がなく」行っていたものという事です。

ただまあ、現実には「知らなかった」と言い張っているだけだと私も思いますが、罰則についてまで知っていた人は少ない、というのは事実でもあるようです。(私が関係省庁に話を伺った限りでは)

 

つまり、現実に起きている事に目を向ければ

・重い罰則が科せられるという事を“知らない”個人による犯行が多数

という事です。

 

ということは、今の状態のままで罰則を重くしても密漁件数は減るとは限りません。

となれば、いずれにしても、取締りや罰則の強化の前にまずはそこの「周知」が重要なはずです。

 

今回の企画を通じて、密漁についての罰則も含め、情報周知や密漁行為禁止の啓蒙を図ることは、密漁者を減らすことに大きく寄与すると思います。

 

密漁者との誤認問題

「私は10年以上魚突きしてきましたが貝取りしている人は一目瞭然でわかります。いまの海保はそこまで真剣に取り組んでいないだけで海保が本気を出せば容易いことです。」

と言う意見もありましたが、それは実際に海上保安庁に話を聞きに行った私の感想とは大分ズレがあります。

 

海上保安庁の方が「実際」に言っていたのは、貝類を密漁している人間と、魚突きをしている人間を見分けるのは困難だということでした。そして仮におおまかな見分けがついたとしても、やはり現地へ行って実際に確認してみる必要もあるため、取締りの手間としては変わらないとも言っていました。

 

問題は密漁との誤認だけではない

最後に、これを言うと元も子もない話なのですが、

魚突きが煙たがられる原因は、何も密漁との誤認問題だけではないという事です。

  • 漁の邪魔になる
  • 漁獲が減る心配
  • 事故の懸念

等、漁業者側からしてみれば、色々な要素がからみあって「魚突き」への抵抗感に繋がっています。

 

少なくとも言えるのは、

密漁者が減れば、晴れて我々遊漁者は無罪放免!大手を振って遊べます!

という事には絶対になりません。

 

まして、これも非常に重要なポイントとして

それぞれの地域で抱える問題や価値観が違う

という点です。

 

もちろん密漁は最大の問題ですが、たとえば、密漁よりも「遊漁者に航路に入られるのが嫌だ」という漁協さんも一部あるわけです。

そういう漁協さんの場合、当然の事ながら密漁者が減ったからと言って遊漁者の立場が良くなるわけではありません。

 

「密漁の取り締まり・罰則強化」というと、前述の通りそれは「法律」の管轄になります。

法律ですので規模は「国」です。もうその時点で、地域ごとの問題や価値観など一切関係なく、一律で取り決めをする必要があります。

そうなるとどうなるかというと、それこそ「全国一律で魚突き禁止」という結論になる可能性は非常に高いと思います。

 

だからこそ、まずはそれぞれの地域で、漁業者さんがどんな考えを持っていて、遊漁をどう捉えているかを知るためのコミュニケーションが大事だと言っています。