エグロの卓上旋盤(ベンチレース)
突然ですが、作業場の旋盤を入れ替えました(*´∀`*)
しかも2台同時に、それも同メーカの兄弟機種を買うというイカれっぷり(爆)
いやほんとエグロ最高。
メイン旋盤はこれ↓で、上のやつは試作品製作や面取り・仕上げ用です。
江黒のLBシリーズ、それぞれ「LB-8」と「LB-10」ですね。
いやーその何というか、このブログは当然「魚突き」「スピアフィッシング」的なキーワードで検索して来られてる方が多いと思うんですけど。
そういう魚突きの事が書いてあると思って来て下さった方の期待をフルパワーで裏切る形にはなりますが、今回はこの「卓上旋盤(ベンチレース、またはペンチレース)」の事を全身全霊で書かせて頂きます。笑
とはいえ、魚突きされてらっしゃる方で、こういった工作機械が好きな方というのも多数おられるかと思いますので、「卓上旋盤欲しいなー」とか思ってた方にとっては、チョッピリ参考になる内容かもしれません?
コレットチャック&レバー式刃物台の卓上旋盤
今回購入したエグロの旋盤は、どちらも「コレットチャック」で「レバー式刃物台」なんですけども。
コレットチャック?レバー式?って言われても知らない方にとっちゃナンノコッチャだとは思うんですが、一般的な旋盤は「スクロールチャック」がついてて、刃物台もハンドルをクルクル回転させるタイプです。
こういうのですね。↓
私が以前使ってた旋盤もこのタイプなので、使用方法がかなり違うこの手のベンチレースに乗り換えるのは最初どうしようか悩んだんですけど。
しかしそんな心配はなんのその。
実際に使ってみるとこれがまー
最っ高に使いやすい
ですね。
この旋盤の良さをざっと挙げると
- コレットチャックでワークを確実に把握出来る
- コレットチャックなのでワークを傷めない
- コレットチャックなので比較的安全(巻き込みが少ない)
- レバー式刃物台なのでバックラッシュがゼロ
- レバー式刃物台のおかげで作業がメチャクチャ速い
まー手返しが良いのも去ることながら、とにかく全体の剛性が非常に高い。
多少グイグイ削っても全くビビらないし、精度も非常に出しやすいです。
このエグロ、年式は昭和40年台と私より年上の機械ですが、まっっっっったく何のガタも無いです。
全ての摺動部は「ヌルヌル」動き、固定する時はクイッと軽くレバーを入れるだけで、もうガッチリ止まってビクともしません。
この旋盤に限らず、私の持ってる機械はどれも古いものばかりですが、30年以上経っても普通に動くどころか、下手すると現代の機械より使いやすくて精度も良いです。
いやーほんと、こんな凄い機械が中古で格安で手に入るってのは、まーほんと日本に生まれてよかったなーと思いますね。笑
デメリット
一応、このタイプの旋盤のデメリットも挙げておきますと、
- ワークに合うコレットを各種揃えないといけない
- あまり大径の物は加工できない
- 旋盤でのネジ切りは出来ない
- 図体がデカい
- 3相200Vしか無い
ぐらいですかね。
コレットチャックは新品を買うと結構高いので、確かにこれを何十と揃えようと思うとかなりの出費です。
ただ、私のようにワークの大きさが限られている場合には、ほんの数種類あれば事足ります。
まあこのあたりは旋盤で「何をやりたいか」で判断が別れる部分かと思いますね。
あとは大きい物の加工も出来ませんが、ただLB10においては最大30mm前後の径まで把握できるので、個人的には全く不足はありません。
ネジ切りも試作品製作においてはタップ&ダイスで事足りますので問題無し。
図体がデカい、これはまあ確かにw
LB8でも165kg、Lb10が245kgもありますんで、部屋の中にそのまま入れるのは少々キツいかもしれません。
あとはモータも当然3相200Vですから、動力を引くか、インバータをかませるかしないと使えないってのも難点ではありますよね。(アトリエは3相200Vを引いてます)
また、100V入力で3相200Vを出力するインバータでも、最大で0.75kw(一馬力)のモータまでしか対応してないのでその点にも注意が必要です。
私のエグロで言うと、LB10が1.5kwのモータなんでこの時点で(100V入力の)インバータでの運用は不可となります。
これから「卓上旋盤」を買おうと思ってる方へ
今や「卓上旋盤」って言うと、おそらく皆さんが思い浮かべるのは海外製の小型旋盤だと思うんです。
自分も金属加工に興味を持った最初は、そういう旋盤を使ってました。
軽くて小さく、100Vで使えて、一通りの加工ができる小型旋盤はとても手軽で良い物でしたが、
ただ、いかんせん我々が加工しようとしているステンレスやチタンというのは一般的には「難材」の部類でして、こういった材料をこの手の小型旋盤で加工しようと思うと、どうしても無理が出てきてしまいます。
それは旋盤本体の精度もそうですし、モータのパワーも足りないのと、あとは何より「剛性」が足りません。
硬い素材を削るにあたり、ベットの剛性が足りずビビリが出たり精度にバラツキが出てしまったり。
その点、国産のベンチレースは剛性不足を感じるシーンはほぼ皆無です。
ガタ無くスムーズに動く上、剛性も非常に高いため削っててメチャクチャ気持ちが良いですね。
まあこれはもちろん用途(と置き場所)にもよるとは思うんですが、個人的にはホビーユーザ向けとしても、この「ベンチレース」がもっと広まってほしいと思います(*´ω`*)
いやー、やっぱり古くても良い機械は良いですよ。
今期もこの相棒とともに、またオモシロイものを作っていきたいと思います!( ´∀`)b
日本の難削材加工技術は素晴らしいですね!
こちらで今後もお世話になろうと再確認しました。