初心者だからと言って、海が手加減してくれるわけじゃない
「魚突き」という遊びそのものは、日本に古くからありました。
ただ、手銛やカーボンフィンなどの道具の進化、そしてTVやネットなどメディアの発達によって、魚突きというものの認知度はここ数年で急激に伸びた気がします。
このブログもその一端を担っている・・・と言えるのかどうかはわかりませんが、私としてはとても嬉しい事に、最近非常にたくさんの方からお問い合わせを頂きます。
「初心者なのですが・・・」
特に多くいただくのが、
「魚突きを今年からはじめようと思ってます!
それで私、完全に初心者なのですが・・・」
という感じのお問い合わせです。
えーっと、
一応ですね、勘違いをされないように最初に申し上げておきたいのが、私はもちろん初心者の方は大歓迎ですし、お問い合わせもガンガンしてきていただきたいと思ってます。
決して「初心者お断り」とか言うつもりは全くありません。
ただ・・・
ただですね。
ちょっと今日は厳し目のお話にはなるかと思うんですが、ハッキリ言って魚突き、ダイビングというのは「スノボ」とかとはちょっと訳が違うじゃないですか。
「私スノボやったことないんですけどー、道具とか何が必要ですか?」
「どうやればうまくなりますか?」
とか、それはそれで何の問題もないんです。
だって、スノボじゃまず死なないから。
「初心者なので、うまくターンが出来ません」
「初心者なので、うまく耳抜きが出来ません」
この2つは全くワケが違う。
いやまあ、多少強引なたとえだということは承知してますが、とにかくこの2つはその危険度において、全く別次元のスポーツだということが言いたいんです。
「初心者なので、うまく耳抜きが出来ません」
といくら言ったって、それを聞いて海が
「あーそう。じゃ次から気をつけてね」
とか言うわけもなく・・・
いや、これは茶化すつもりは全く無くて、
本当に「初心者だから」とかそんなの
海に入れば全然関係無い
ということなんですよ。
問答無用で、その先に待つのは「死」です。
だから正直、たとえば先のような質問を当店に投げてこられても、私は何も答えることはできません。お伝えできるのはひとつ、耳抜きが出来ないとヘタをしたら死にます、ということだけ。
そんなの逆に無責任じゃないか、そう思われるかもしれせんけど、人様の命にかかわることの責任など、誰にだって取れないです。
もっとハッキリ言います。
自分の命にかかわることについて「初心者」という言葉を絶対に使ってはいけないし、それを安易に人に聞いたとしても、いざという時にその人が助けてくれるわけでも、責任をとってくれるわけでもありません。
自分の身は、自分で守るしか無いです。
いや、何でこんな事を言うかというと、そもそも私はこういう偉そうな話は苦手なんですが、この話の目的を一言で言えば
“ドキッ” としてほしい
ということに他なりません。
この記事を読んで、たとえば「何だコイツ、エラソーに」という反感を感じたとしても、その時に感じたドキッとした気持ちは忘れないと思うんですよ。
こういうのって理屈じゃ中々行動できなかったりします。
アタマでは危険だとわかってても、理屈はちゃんと理解出来てても、実際その場でしっかり行動できるか?これって案外別問題だったりしますから。
だから、ドキッとしてほしい。
そうやっていつまでも、これはもちろん初心者の方だけではなくベテランも含めて、海に対する緊張感を持ち続けていただきたいです。
というわけで。
今日はちょっとピリッとした話だったんですけども、デカい台風も来てますし、これから魚突きもベストシーズンに入っていくことですし、絶対に事故が無いように、安全には絶対に手を抜かないで下さいね。