エントリーNo.001 きっしー様 【ジャックナイフダービー2015】
ジャックナイフダービー2015後期、いよいよ始まりました。
そして記念すべき一発目のエントリー。
いや、もう何と言うか・・・
私なんかのくだらない解説は一切必要無いです。
とにかく、このレポートを読んで読んで読み込んでみて下さい。
合計3000字以上、
安全対策について出発前の準備から
現地での装備の使い方、心構えなどなど、
基本的な所から枝葉の部分まで
とても細かく書いてくださってます。
ベテランだろうが初心者だろうが、
このレポートを読んで何も思わない人はいないと思います。
もちろん「素晴らしい!」と共感する事もあれば
いや自分はこう思う、という意見もあったりするでしょう。
それで良いんです。
それこそが今回のダービーの狙いであり、
それはこれだけ気合の入ったレポートを
書いてくれた人がいるからこそ
起こせる「波」だと思うんです。
このレポートを読んでの感想は、
ぜひともご自身の安全対策に落とし込んで
それをまたレポートにまとめてみて下さい。
そしてそのレポートを読んだ方がまたそれを活かす・・・
そういったサイクルが出来れば最高だと思います。
では以下原文そのままにて、
「エントリーNO.001 きっしー様」
のレポートをご覧ください。
エントリーNo.001 きっしー様
魚突き歴:4年
ペンネーム:きっしー
エントリー部門: 動画
エントリーの題名:1年振りの記録更新!石鯛65cm
動画URL:https://youtu.be/G4up2ldImsA?t=1m55s
レポート
1.突行レポート
魚種:石鯛
サイズ:65cm
重さ:未計測
海況(波の高さ、潮など):~1m
天気:快晴
<エピソード>
突くまではそんなに大きいと思ってなかったんですが、結構でかかったです笑
2.安全対策
まず私は魚突き歴4年くらいのペーペーです。
けど、だからこそ始めたての頃の「あぶねーーー!」って経験を鮮明に覚えてるわけで
初心者の方に参考にして頂けると嬉しいです。
魚突き人口の中一番多いのは、初心者の方や、これから始めたい、って方ですので!
熟練者の方も、もし参考にできるとこがあれば嬉しいです
~出発前~
■波予報
→ Yahoo!波予測 か シビアに見るなら気象庁の沿岸波浪予想
・波はありませんか?~1.5mでもあると結構危ないです
・波の向きはどうですか?陸から沖に向かう方向ならベタ凪チャンスなのでいいんですが
波高1.5m以上で陸向きなら、結構荒れてます。
波の向きによっては、いつものポイントは諦めて風裏になるポイントを目指しましょう
・波は時間とともに高くなる予報ですか?落ち着く予報ですか?
これが分かってないと、この波で入れるのか?
今は入れても、数時間後、安全にエギジットできるのか?正確な判断ができません
■海水温
→気象庁 日別海面水温 か 関東~四国の詳細は関東東海海況速報(黒潮の位置も見れます)
・ウェットは水温に適応できるものですか?
・大雨の後は水温が下がるので注意!
■持ち物の再確認
・波酔いする人は、酔い止めを忘れず。。。
寒いと更に酔いやすくなります
~装備について~
■ウェット
・2ピースの魚突きウェットの保温効果は絶大です。
同じ5mmウェットでも、一般的な1ピース両面ジャージの人がガタガタ震えるような水温でも
裏スキン表ジャージの魚突きウェットだと暑いくらいだったりします
ジャックナイフさんで買いましょう笑
■ウェイト
・ポイントの深度によって適正ウェイトは変わります。
深さによって、重さを±1kg調節すると
深いとこで沈むスピードが速くなりすぎたり
浅いとこで浮きすぎたり、という事を防止できます
・ウェイトベルトのバックルは、片手ですぐ外せるタイプを使いましょう
無意識に外せるよう、ベルトの向きは毎回統一。
・腰痛持ちの人は、腰への負担軽減のためにウェイトベストも検討してみてください
沖でギックリ腰、が私の考える最悪のパターンです
■ナイフ
・ラインを切れるような形状ですか?
・切れ味は大丈夫ですか?刈払機のオレンジラインを切れない事もあるようです
・ナイフを付ける位置は左腕です。足につけるとフロートラインが引っかかります
・ナイフに落下防止のゴム等、つけてますか?
ナイフを紛失するだけでなく、緊急時、使おうとしたナイフを落としたら。。。。
・形状によっては(ダガーナイフ)所持だけで銃刀法に違反します。
例:omerのレーザーナイフ、SeacsubのSamurai等。。
もちろんダガーと名の付くものはアウト!買えてしまうので間違って買わないように
■フィン
・ロングフィンでも進めないような激流が発生する事もあります。
もしもポイントの潮流の強さや、自身のスキルに不釣合いなフィンを使っているなら
「安全の為」にロングフィンの購入をおすすめします
■マスク
・浸水はありませんか?頻繁なマスククリアは曇りの原因にもなります
・曇らないよう、油膜は取ってありますか?曇り止めはありますか?
新品のマスクは要注意!視界を奪われると冷静な判断もできなくなります。
■時計
・必ずエントリー前に集合時間を決めましょう
海のもしもは「118」、タイミングを遅らせない為にも時計は必須です。
■手袋
・薄手のものは作業性に優れますが、安全面を考えるとNGです。
毒魚にやられると手がパンパンになったり痛くて動けなかったり。。。
厚手のオススメは WORKS HOMMEの5500
刺さりにも強いので、魚のヒレにもビビらずガッチリ掴みにいけます!
(ちなみに薄手のオススメは SYOWAのライトグリップ
最近コンビニでよく見ますね)
■フロート
・安全面での理想は大型、高さのあるもの、オレンジ色。
・引っかかり、絡み防止の為、チビフロートは必須
・銛からチビフロートまでのラインには、エアホース等を被せてで太くすると
体への引っかかりや絡み、ねじれを減らせます
■フード、クラゲよけフード(夏)、タイツ等
・魚突きでは長距離の水面移動になるので、特に夏場はクラゲに刺されまくります
春には一撃必殺のアカクラゲもいますね
アンドンクラゲの群れに突っ込んで激痛でパニック、
進路を塞がれて帰れない
四方を囲まれた
なんて事は夏場は特によくありますので注意!
危なかった経験
実体験に基づいて書いていきます
こちらも主に初心者に向けて・・・
■準備運動
・やらないと足がつります
特にフィンに慣れてない最初のうちは要注意
ちなみにもし水面でつっても大丈夫、フィンの先を持って伸ばしましょう
・ポイント前で車中泊&寝起き突行もあまり良くないです。体が十分に動きません。
■水中拘束
・フロートライン
エントリー後、数メートルの深さの場所まで泳いでから、ラインを伸ばす事
浅いとこだと岩や海藻に絡まったり、波に揉まれたり・・・
浅いとこで絡むと波もあるので危険です。
あ、あと当たり前ですがフロートラインを付ける場所は、銛のハンドストラップです
腰ではありません
・腰網
水中拘束の原因になるので腰に付けない。
■船
・遊覧船
遊覧船は航路、時間も予習できるので、出港時間、遊覧船がポイントへ到達する時間等は
予め把握しておく必要があります。
遊覧船は磯スレスレのルートを通る事も多いので要注意
危険な時は、フロートラインをたぐり寄せながら銛を海面に立てて全力フィンキック!
・ジェット
本当に危ないです。速すぎです
ジェットが通るような場所では潜らない方がいいです
短い夏の間だけなのでここは我慢。。。
■ハイパーベンチレーション
・確かに潜水時間は伸びますが当然オススメはできません。
水面移動中も普段のフィンキックを緩やかにし、移動ペースを遅くして心拍数を上げないようにすれば
潜水時間は伸びます。さらにリラックスして半目で口が半開きになるくらい脱力すれば全身の力が抜けますので
ハイパーはやめときましょう。こんな魚、今逃すと2度と会えない!と思っていても
魚突きやってる間に何度でも、それ以上の魚に会えますから気楽にいきましょう^^
■潮流
・違和感を感じたら、一度フィンキックを止め、流れの方向、強さを確認しましょう
・テトラの先端岬の先端なんかは特に慎重に!
うっかり強い流れに突っ込むと危険です。
■合同突行
・銛
相手との距離が近い時は暴発防止のため、ハンドストラップから手を離す
水面で会話する時は銛を立てて、銛先を向けない
・バディ
潜っている人からは、案外真上は見えていないので
真上にいると危険です
■合同突行(体力、経験、スキルの違いが大きい場合)
・突行時間
3~5時間もの長時間、魚突きをした経験がありますか?
・距離、流れ
3~5キロもの遠泳、強い潮流に耐えれる体力がありますか?
・波
波高2m以上で、安全にエントリー・エギジットできますか?波酔いへの耐性がありますか?
・サメ
サメへの耐性がありますか?対応できますか?
無理してついて行った時にこそ大きく成長するものですが・・・そもそもスキルや経験に差がある中、無理をする、させるのは非常に危険です
■単独突行での危険
・圏外のポイント
長時間山を下るようなポイントで、もし事故に合った場合、ハチ、ヘビ、熊、毒魚、サメ等にやられた場合、
助けを呼ぶ事もできません。助けを呼べない場所へは1人で行かない方がいいのでは・・・
・いつ、どこで潜っているのかも分からない
ポイントの位置情報やエントリー時間を、身近な人には一応連絡しています
もし〇時までに「あがったよ」と連絡がなかったら通報して、せめて亡骸だけでも見つけてくれ、と伝えてます
冗談ぽく言ってますが実は本気です
以上が私の日頃、危ないかなと思っている内容になります。
小さな事かもしれませんが
突師全員がナイフの位置を腕に変えれば、
全員が準備運動をしてから海に入れば、失わずに済む命もあるかもしれません
安全管理、気をつけようと言うのは簡単ですが
道具や行動に、それを落とし込まなければ何も変わりません
何か考えるきっかけになってもらえれば嬉しいです。
ありがとうございました。