チョッキ銛の仕掛けについて【手銛製作ガイド】

 

チョッキ銛の “仕掛け” とは

今回は「チョッキ銛の仕掛け」について、簡単に解説をしてみたいと思います。

 

ただ、チョッキの仕掛けというのは特に決まったスタイルや手法がある訳ではありません。

実際、皆さんそれぞれが自分好みにカスタマイズして使っているので、「これがチョッキシステムです」というご案内は少々難しいというのが正直な所です。

 

なので、今回ご紹介するのはあくまでも「チョッキシステムの基本形」だと捉えて頂ければ幸いです。

あとの細かい部分のセッティングや、ラインや金具の選定等はご自身で色々と工夫しながらやってみて下さい。

 

仕掛けは自分で組めなきゃ意味がない

チョッキの仕掛けというのは消耗品ですし、ライン切れなど現場で補修が必要になる事も多々あります。そういった際に自分で仕掛けを再セット出来なければ困ったことになりますよね。

このあたりは釣りの仕掛けと同様かと思います。

 

ただ、とはいってもやはりチョッキを使ってみたいという方は非常に多く、最近では初心者の方から頂くご質問でも、このチョッキの仕掛に関するご質問が大変多いです。

そこで今回は、最も簡易なチョッキシステムの概要を解説していきますので、「今からチョッキ銛を使ってみたい!」という方はこれを参考に、自分好みのチョッキシステムを組んでみて下さい。

チョッキシステムの概要

 

まずそもそも、チョッキの仕掛けって一体何?何がどうなってるの?

という所から解説をしていきたいと思いますが、上の図がチョッキの仕掛けの基本的なカタチです。

(呼び方もこれまた様々で全く一般化されていないので、とりあえず最も普及しているであろう呼称を使っています。)

 

上の図を見たらチョッキ銛がどのように機能するか?というのも何となく想像がつくかと思います。

要するに、

「魚に刺さった後、チョッキ銛先が押し棒から外れ、銛先そのものが “カエシ” になる」
「チョッキ銛先が外れたあとは、釣りのようにラインで魚と引っ張り合いになる」

というのがチョッキの機能です。

 

「テンション」をかける

「なーんだ、じゃあただ単に手銛の先端金具にライン通して、そのラインにチョッキ銛先を結んでしまえばOKじゃん」

と一瞬思ったりもしますが、それだと銛先を下に向けた時にチョッキがポロッと落ちてしまいますよね。

 

そこで、ラインに適度な「テンション」をかけてやります。

ハナシとしては単純で、単にメインのラインに「テンションゴム」を引っ掛けて引っ張る(テンションを掛ける)だけ。

 

ただし、あまり強い力でテンションを掛けてしまうと、今度は押し棒からチョッキが外れにくくなってしまいます。

そうなると、せっかく銛先が魚に貫通してもチョッキが外れず、そのままスッポ抜け・・・という悲しい結果に。。

 

この、

  • どのぐらいの力でテンションを掛けるか?
  • テンションラインはどのぐらいの長さにするか?
  • テンションゴムをシャフトのどの位置に取り付けるか?

等といったノウハウは、チョッキシステムを組む上でも非常に重要なポイントです。

 

ただこればっかりは「手銛の長さ」「押し棒の長さ」などによって変わってくる部分なので、一律でここはこう、というご案内が出来ません。

徐々に調整しながら最適なセッティングを探してみて下さい。

 

あとテンションゴムの素材は、図でも書いたように髪留め用のゴムでも良いですし、よく伸びて耐久性があれば正直何でも構いません。

 

 

テンションゴムの固定

テンションゴムの固定には、フックやループ状になった金具を手銛本体に糸巻きで固定して、そこにテンションゴムを通したりすることが多いです。

 

ただテンションゴム自体には大きな力はかかりませんので、そこまでガッチリ固定されていなくても大丈夫っちゃ大丈夫。

なのでここは特に金具を使う必要はなくって、ようするにテンションゴムが簡単に固定されてれば固定方法は何でもOKです。

 

自分は「Oリング」のちょうどいいサイズのをホームセンターで買ってきて、コレを数本シャフトにグリグリと通し、その段差を利用して髪ゴムを結んで使ってます。

あとは「結束バンド」を使う方や、ビニテで固定される方もおられます。

 

ラインについて

チョッキライン、テンションライン共に強靭なラインを使う必要があります。

一般的には、釣りで使用するいわゆる「モンスターライン」ですね、ダイニーマなどを使う方が多いです。

個人的なおすすめとしては、「シーハンター」の60号~100号あたりが安価で扱いやすくてお勧めです。

 

あとワイヤーを使う方も多いですが、ワイヤーのカシメだけはしっかりやっておいてください。

ワイヤーはクセがつきやすく、その曲がった箇所に金属疲労が溜まって破断しやすいのと、ササクレが手に刺さって痛いのがネックですね。

 

ワイヤーにせよラインにせよ、いずれにしても消耗品ですのでマメに交換するようにしましょう。

手入れを怠ると、せっかく大物を突いたのに「ラインブレイク」でバラシ・・・という悲しい結果になってしまいます。

 

金具類は必要?

チョッキラインとテンションラインを分割するための金具として、いわゆる「だるまフック」等の金具を使用する方も多いです。

もちろんそういった金具はあれば便利ですが、大物を狙うのでなければ「金具を一切使わない」チョッキシステムを組むことも可能です。

 

えーっと、ちょっと雑な写真なのですが笑

まずこの輪っかが「テンションラインの末端」だと思って下さい。

で、このオレンジのが「チョッキライン」。

 

これを

こうして

こうじゃ!

 

なんとなくイメージできますかね?

もちろん大物相手だったらこのコブ(結び目)が弾け飛んで終わりますが、そこそこの獲物ならコレで全く問題ないと思います。

 

これと、先述のテンションゴム固定のOリングやなんかを組み合わせれば「金具を一切使わないチョッキシステム」を組むことが可能です。

ただ、とはいっても、さっきも言いましたがやはり強度的にはダルマフックなりの金具を使ったほうが強いですので、これらはあくまで簡易バージョンの仕掛けとして捉えて頂ければと思います。

 

まとめ

なんだかんだで、色々と細々した所も解説してしまいましたが笑

まずはチョッキシステムの全体像を把握してもらって、最初は上記のような「金具を使わない簡易バージョン」から組んでみてもらえればと思います。

金具を使わない仕掛けなので、必要なものとしては

  • チョッキ銛先
  • 押し棒
  • ライン
  • Oリング(または結束バンド、ビニテ)
  • 髪ゴム

これだけでチョッキシステムが出来てしまいます。

 

最初は難しく感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえばあとはカンタンですので、ぜひ自分好みのチョッキシステムを作ってみて下さい!

 

 

チョッキ銛先

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