エントリーNo.003 そうぱぱ様 【ジャックナイフダービー2015】

 

第三弾は、前回のダービーにもエントリーしてくださった、そうぱぱさんからのエントリーです。

 

ご自身の体験はもちろん、減圧症や危険生物などのデータも併せて解説してくださっているレポートはかなり興味深い資料になっています。

 

素潜りでの減圧症の発症については様々な意見があると思いますが、私もそうぱぱさんと同じく、「減圧症?いやいやスキューバだけでしょ?」とは思わないほうが良いと考えています。

現在の素潜りでは道具の進化、または突き人のレベルアップもあって、潜行&浮上のスピードが昔と比べれば相当上がっており、それによる急激な気圧の変化は確実に何らかの形で体へ負担をかけています。

それは何も減圧症という現れ方でなくても、どこかしらの体の不調をきたすことは私の実体験としても多くあり、その対策としては、レポート中でもあるように、潜行のインターバル時間を長くとることが本当に重要だと思います。

 

 

エントリーNo.003 そうぱぱ様

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魚突き歴:7年
ペンネーム:そうぱぱ
エントリー部門: 写真
エントリーの題名:美味しくいただきました!

 

レポート

1.突行レポート

魚種:ヒラマサ、真鯛
サイズ:83cm、68cm
重さ:未測定
海況:波の高さ、1,5mうねり有り
天気:晴れ

<エピソード>
普段あまり刺身を食べない子供が、おいしい!
と言って沢山食べてくれました。

 

2.私の安全対策

私が思う安全対策は、入水前の健康管理が非常に重要だと思います。
スピアフィッシングというスポーツは、体があってこそできる事だと考えております。

 

・出発前日
風邪気味や、寝不足ではありませんか?前日のアルコールは抜けていますか?あまり優れない状態での潜水は、極力控えた方がいいです。

このような状態での潜水は、耳抜けが悪かったり、または副鼻腔(眉間のあたり)が痛くなったりします。無理に潜水すると出血を伴ったり、最悪の場合うまく耳が抜けず鼓膜が破れたりと非常に危険です。

突行の何日も前から体調をしっかり整えましょう。鼻炎持ちの方は予め耳鼻科などで、お医者さんに相談しておいた方が安心です。

 

・入水前の準備運動
潜る前の準備運動は当たり前の話なのですが、これを欠かすと非常に危険です。フィンを使い慣れていない方は、足をつる危険性が高いです。動く前にはかならず準備運動を行い、体を温めておいた方が安全性がグッと上がります。

 

 

・素潜り中に起こる減圧症について
減圧症とは、急激な気圧変化により溶解ガスが代謝されない不活性ガスとして、組織や血管内で気泡化し組織障害や循環障害を起こす事をいいます。気泡が発生した部位に応じて症状が出現します。発生した気泡の量によって重症度が異なります。よって自覚症状の部位と程度は多種多様です。

症状は、四肢の関節痛・筋肉痛(いわゆるベンズ症状)、四肢のしびれ感・違和感・筋力低下・倦怠感(中枢神経障害)、めまい・難聴・耳鳴り(前庭神経障害)、息切れ・呼吸困難・胸痛・胸部の違和感(呼吸器症状)、皮膚のかゆみ・発疹(皮膚症状)、頭痛または頭がぼーっとする(頭部症状)、四肢の浮腫(リンパ症状)などです。

レジャーダイバーの減圧症では、関節痛・筋肉痛の痛みの程度は軽く、ほとんどのケースにしびれ感(中枢神経障害)を伴います。四肢のしびれ感は末梢側に多く出現し、自覚的にはチクチクするまたはジーンとした違和感として感じます。

 

これらの症状は主にタンクを用いて潜水を行う、いわばスキューバーダイビングで最も多く見られる症状です。ただスキンダイビングだからといって、この症状が全くでないと言うわけではありません。気圧の変化は水深0m~10mでも多くの変化があります。

長時間の遠泳、短い休憩、再潜水までのインターバルの短さ、これらが重なると、症状に掛かる確率が高くなります。長時間の遠泳をなるべく控えたり、または長時間潜り続けた後は長めの休憩を取る、浮上~潜水間のインターバルは長めにとるなど、焦らずゆっくりと余裕を持つ事が一番の予防策になります。

 

 

以前私も、風邪気味、寝不足の状態で無理して潜り、副鼻腔の痛みさえも無視して潜った経験があります。海から上がった時に、鼻からの出血、めまい、吐き気を催しました。これらの体験を踏まえた上での、私なりの健康管理方法です。

 

 

・当日の天候について
潜る前日に必ず確認しておきたい事、天気はよいか?風は強くないか?波は高くないか?潮の干満時間は確認したか?YahooなどのWEBサイトなどで、翌日の天気を調べておくと安心です。

風向きは陸から沖に抜けるのが安全です。波は1,5mを越すと中々に荒れます。風速、風向き、波の高さはセットで調べるとより安全です。潮の満ち引き、潮止まりでかなり動きの違いがあります。流れの速い場所での突行は、これらも考慮したほうが安全です。自然には勝てないので、しっかり下調べをしてから潜りましょう。

 

 

・海の危険生物
海には、触れるだけで死んでしまう可能性を持った危険な生物が沢山います。普段から図鑑などで、生息域や容姿、どういった危険があるかを調べておくと安全ですね。

●ヒョウモンダコ
猛毒(テトロドトキシン)及びハパロトキシンを唾液に持ちます。噛まれると麻痺→呼吸困難→酸素不足→心停止と非常に危険な生物です。見つけても触らないようにしましょう。

●アカエイ
尻尾に返しがついた毒針を持ちます。
アナフィラキシーショックによる死亡例があり、これまた危険な生物です。サーフなどでもよく見かけるので、サーフからエントリーする場合、よく下を見て踏みつけないようにエントリーしましょう。

●オニダルマオコゼ
背びれに強力な神経毒(イチコロリ)を持ちます。
刺された人の死亡例があります。この生物も背びれに毒があるので、踏みつけないよう気をつけましょう。

●オニヒトデ
全身が猛毒の針で覆われていて、毒物質(オニヒトデ粗毒)を有している。刺さると、激しい痛み及びアナフィラキシーショックによって、最悪の場合死に至る事があります。絶対に触らないようにしましょう。

●エラブウミヘビ
毒はエラブトキシンと呼ばれ、その毒は本ハブの70~80倍の強さと言われます。ウミヘビ全般には近づかないようにしましょう。

 

この他にもたくさんの危険生物がいます。
上で紹介した生物は死亡例のある、特に危険な生物達です。海に入る前に、しっかり調べておくと安心ですね。

 

 

・道具について
潜る際に身につけていく道具は、いわば命綱のようなものです。メンテナンスはしっかり確実に行う事で、事故に遭う確率も下がると思います。

●ウェットスーツ
おすすめは表ジャージ、裏スキン、2ピースのロングジョン、フードかぶりのタイプです。ジャックナイフさんでこのタイプのウェットを買うまでは、釣具屋などの
両面ジャージの2ピースを着ていましたが、保温力を比べてみると、桁違いの保温効果でした。

まず裏スキンの場合、一度水が入るとそこから水が出なくなり、それ以上に水の浸入がありません。その水が自身の体温によって温められ、結果体温の低下を防ぐ効果が生まれます。両面ジャージだと、動くたびに水の流入があり、あまり保温効果を期待できません。

きっしーさんのパクリになるのですが。。。ジャックナイフさんで買いましょう!笑

 

●マリンブーツ、またはソックス
できればマリンブーツでエントリーするのが好ましいです。磯からのエントリーの場合、ソックスだと足がズタズタに切れる場合があります。岩場を歩くのも辛かったりもします。

●グローブ
ホームセンターなどに置いてあるゴム手袋がおすすめです。私が愛用している【ショーワ】グリップ#310(ソフトタイプ)【ゴム手袋】はゴムの部分が厚く、伸縮性もあるので使いやすいです。

●ナイフ
とにかくロープ切断用の刃がついているものを選びましょう。もし網や釣り糸に絡まってしまった時、素早く切れるように腕につけると安全です。

●ウェイト
自身の体重、脂肪率や潜水深度により変わります。
私は、5m当たりまで潜ってマイナス浮力になるように調整しています。このウェイトの調整は、いざ浮上するときに上がれなくなったりするので慎重に考えたほうがいいと思います。

ベルトはワンタッチではずれる物が安全です。
安全帯のベルトなどを使うのは非常に危険です。

 

 

●マスク
自身の顔の形状にあった物を選びましょう。とはいっても試着できるものではないので。。。先人たちの知恵を借りましょう!(ググる)入水前には曇り止めを塗りましょう。曇り止めの代用品として、歯磨き粉がかなり効果が高いです。粒の小さい歯磨き粉がおすすめです。

●フィン
とにかくロングフィンがおすすめです。
流れが早くてもある程度は逆らえます。

●フロート
理想はomerなどの既製品です。
私はボディボードで代用しています。
ヤフオクなど、中古なら安い値段でも揃えれます。
浮力がある程度あるので、ポイントまでパドルしながら進むこともできます。

 

・サメ対策
肉食性の種は魚介類を中心に、海産哺乳類、海産爬虫類、海鳥などを獲物としています。大きな獲物を狙うものでは、人間がアザラシなどの獲物と間違えられることがあり、人食い鮫と恐れられています。

サメから見てダイバーが騒々しい存在に映ることが多い一方で、スキンダイビングなど、下から見るとアザラシと酷似しており襲われる危険性が高いとされています。

 

・事前対策
まず、サメの好きな匂いを出さないこと。
怪我・傷があるときや生理中は海に入らず、また海で用を足すのも厳禁と心得ましょう。魚の鱗と間違われないよう、金属類を身につけないことも重要です。1番重要なのが、そういった動物の活動的な時間や、狩りをするエリアには近づかないことです。

 

 

3.最も危なかった体験
まだ始めて間もない頃に、定置網に引っかかり本気で死にかけました。フィンに絡み、パニック状態です。ふと冷静になり、ナイフで網を切って脱出しました。

幸いすぐ取り出せる位置にナイフを付けていたので、短い時間の間で抜け出せました。この体験を踏まえて、ナイフの大切さ、取り付ける位置の重要性に気がつきました。

 

健康な体があってこそできる趣味です。
極力無理はしないよう心掛けて、楽しい素潜りlifeを送りましょう!

ご安全に!

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