素潜り漁中に発症した脳型減圧症の 1 例(日本神経学会様HP掲載の論文より)
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素潜りと減圧症
先日頂いた、そうぱぱさんのレポートでも「減圧症」について触れた箇所がありました。
現状では「減圧症=スキューバダイビングで起こるもの」というイメージが先行しており、どうしても「素潜りでは減圧症は起こらない、気にしなくていい」というように考えている方も多いと思います。
ただ、私個人の意見としては、その時の記事でも述べたように「素潜り=減圧症とは無縁である」という思い込みは危険である、と考えています。
その根底にあるのは、実際に素潜りで減圧症が起こる・起こらないに関わらず、「素潜りでも減圧症は起こるもの」として安全対策をするのは、少なからず安全面においてプラスになるだろうという思いです。
要するに「素潜りで減圧症になるかどうかはわからないけども、用心するに越したことはないでしょ」という事ですね。
しかし、私もあれから「素潜りでの減圧症」について様々な文献・論文を調べる中で、実際に素潜り中に減圧症にかかり、CTやMRIでの脳検査を受け、そしてそのデータと検証が論文になっている、という非常に貴重な資料に行き着きました。
要するに、
「素潜りでも減圧症は普通に起こりうる」
という事です。
これだけの貴重なデータ、私としてもこれは魚突きをする人全員に見て頂きたいと思い、「ぜひともその論文を紹介させて下さい」と、その論文を掲載されている日本神経学会様にコンタクトを取らせて頂いた所、当該論文のリンク掲載について快く承諾して頂きました。
こちらがその論文へのリンクです。
http://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/052100757.pdf
※当論文の内容を直接引用・転載したりすることはお控え下さい
日本神経学会編集委員会の方々、また事務局のご担当者様、そして論文を執筆された松尾先生には本当に感謝の気持ちで一杯です。
本来は医師の方向けの論文であるにもかかわらず、このような直接の関係の薄い当ブログへのリンク掲載を許可して頂き、誠に有難う御座いました。
この場を借りて、再度お礼申し上げます。
この論文は、本当にすべての突き人に読んで頂きたいと思います。
論文を読んで頂ければ確実に何かしら考える事があると思いますから、「素潜りでの減圧症対策は?」という部分はあえて書かずにおこうと思います。